天板の裏側に〈象谷〉の印の入った座卓です。 象谷といえば、江戸時代後期の讃岐漆芸の祖と呼ばれる"玉楮象谷(たまかじぞうこく)であるが、彼の作品ではないとしても、鮮やかな花鳥図や細かな細工の施された見事なお品だと思います。 存清【ぞんせい】技法の発生は南方インドシナ方面と想像され、中国に渡って改良を加えられた存清漆器は、室町時代以後わが国に伝来し茶人などに珍重されていたが、ただ舶来の珍品として愛蔵するのみで、製作を志すものはなかった。江戸末期、讃岐の名匠玉楮象谷はその技法を究明し、遂に日本的な存清漆器を生みだした。明治末期までは海外にも輸出され盛況であったが、その後逐次衰微の途をたどた。存清の工程は、黒地、赤地、黄地などの上面に色漆で模様を描き、その輪郭を、日本画の骨描式にのみ（ケンと称する）で毛彫をし、あるいは金泥でもって筆で隅取ったものである。象谷は素地には主に竹網代を用いて、形態、文様加飾に創意工夫を加えた。 こちらは何分にもかなり古いお品となりますので、特に脚部や天板の角などに塗膜の剥離が生じておりましたので、お手入れの際に色付けをしてしまいました。 また天板の表面に擦り傷や輪じみのような変色が数カ所見受けられます。 状態は画像を見てご判断の程宜しくお願い致します。 寸法/幅920奥行675高さ210(mm) ＊取りに来て頂ける方、大歓迎です！ こちらは大阪府岸和田市です。