950年代のトリプルステッチカバーオールに、総柄のようなペイントアートが施されたものです。その絵の内容から鑑みるに、おそらく兵士によって描かれたものと考えられます。戦時中は、支給された衣料にペイントカスタムすることなどに米軍は目をつむっていたと言われています。胸のオオカミはGIウルフというキャラクターが米軍に存在していたこと、また女性に興味を持つ男性に譬えてオオカミを描いたのでしょう。そして鎖で繋がれた文字「AWOL」は"absent without leave"「無断離脱」「敵前逃亡」という意味です。背中には陸軍女性兵士がグラマラスに描かれています。本来これは"pin-up"ガールというスタイルで描かれます。そして、前身頃の"8 ball"は昔のアメリカのスラングで"to be behind the 8ball"といい、「トラブルの真っ只中にいる」という意味です。このような要素から、このアートを描いた人物は、朝鮮戦争に従軍していたのではないでしょうか。現実から逃れて意中の人に会いたいというメッセージが込められているように思えてなりません。デニムカバーオールの袖は脇下から一気に縫いあげる巻き縫いではなく、筒袖を作ってから縫製する仕様です。まさに「最高のキャンバスに描いている」と言える逸品です。 定価56160円 今ではもう、そのブランド自体がなくなってしまったへラーズカフェです。手に入らないものですのでこの機会に是非。 状態もかなり良くペイント欠けもありません。